Train

旅情あふれる電車旅 ヒヴァからサマルカンドへ移動編

かつてのシルクロード要衝の地、ウズベキスタン。

2018年2月から日本人旅行者のビザ免除になったことで、今後より注目される国であることは間違いない。

行くまではどんな国か想像つかなかったけど、シルクロードの面影を残す街並みと、人々の素朴な笑顔が印象的だった。

今回は、ウズベキスタン西部の街ヒヴァ(ウルゲンチ)からサマルカンドまでの夜行列車の旅を紹介したい。

【事前準備】

まずは夜行列車の予約から。

筆者はリーマントラベラーで常に弾丸旅のため、プランニングが非常に重要である。

どこかで予定が狂ってしまうと後々大変なので、宿のオーナーと事前にやり取りし、ヒヴァからサマルカンドへの列車予約を代行してもらっていた。

ヒヴァはウズベキスタン西部にある街。正確にいうと電車はヒヴァからではなく、ウルゲンチという街から出ている。

ウルゲンチ駅

ウルゲンチを19:32に出て、サマルカンドに8:11に着く夜行列車を予約。個室ではなく、普通の二段寝台で一人22ドル。個室を選ばなかった理由は、普通寝台の方が色んな人との出会いがある気がしたから。

ウルゲンチには18:00すぎに到着。ウズベキスタンの駅は自由に出入りできず、セキュリティを通らなくてはならない。

セキュリティに入る前に「Ticket」と言われたのでオーナーにもらったEチケットの控えを渡すと、これでは電車に乗れないから、KASSA(チケット売り場)に行って正式なチケットを発券してこいとのことだった。

チケット。名前、生年月日、パスポート番号が印字される

幸いここのセキュリティの人は簡単な英語が話せたのですぐに理解することが出来た。

こういう不測の事態があるので、旅は時間に余裕を持った方が良いといつも思う。

KASSA。中が見えないので、一見開いてるのかどうかわからない

KASSAは大体駅舎の横に建っている。カウンターへ行って、Eチケットとパスポートを提示して、本チケットを発行してもらった。待っている間、ウズベク人の女の子に話しかけられた。

日本のアニメが好きだと言いたかったようで、身振り手振りで伝えてくれた。

私も負けずと、ロシア語の指さし会話帳を使って少し会話をしてみる。言葉が通じなくてもなんとかなるものである。

しばらくするとチケットが発券され、カウンターに呼ばれたので女の子とハグしてさようなら。

ウズベク人って結構フレンドリーなんだな。

セキュリティを通過すると、電車はもうすでに停車していた。

出発まで少し時間があったので、駅のトイレで化粧を落とす。トイレはちゃんと清掃員がいて、無料だった。

すっぴんになってスッキリ!いざ列車へ乗り込む。

ちょうど日が暮れかかっていて、旅情が掻き立てられた。

列車はかなり長かったけど、ホームにいた車掌が私のチケットを見て、車両まで案内してくれた。

親切な車掌さん

その時、貴重品は必ず座席の下に収納してねと忠告された。スリがいるらしい。

指定された座席まで行くと、なんとその座席はすでに使われていた。しかもテーブルも食べかすやらなんやらでかなり汚かった。

「そこに座っていた人は今買い出しに行ってるよ」と近くの人が教えてくれたので、車内を探検しながら待つことに。

まずはトイレ。想像していたよりきれい。

給湯機を発見。これで暖かいお茶が飲める。

しばらくするとその人が戻ってきた。事情を説明すると彼女もトラベラーで、訳が分からず私たちの席を使っていたらしい。幸い新しいリネン類は駅員がすぐにもってきてくれたので、ベッドメイキングをして一息ついた。

掛け布団の予備は天井に

私たちの車両はほとんどが地元の人だった。

家族連れが多く、子供がはしゃいでいる。長旅のため、寝巻に着替えて走り回っていた。かわいい!

子供が私たちのところに寄ってきたので、その親たちとおしゃべり。お父さんはロシア人で、韓国で数年働いていた経験があり、韓国語が少し話せる。お母さんは英語がほんの少しわかる程度。

ウズベキスタンでは、やはり英語の通用度は低く、本当に簡単な文章ですら理解してもらえなかった。私はウズベク語はおろかロシア語もあいさつ程度しか知らないのだけど、地元の人たちはあの手この手を使ってコミュニケーションを取ろうとしてくれるのが嬉しかった。彼らはみんなロシア語が分かるので、指さし会話帳で単語を調べながら会話をする。意味が通じ合った時は感動!そうそう、私がしたかった現地の人との交流はこれなんだよ。

定期的に車掌さんが見回りに来る

子供にキャラメルコーンをあげるとかなり喜んでくれた。お返しに、とその子のお母さんがチョコ(しかも1袋まるまる)をくれた。一つでいいよと断ったけど、いいのよいいのよと言ってきかなかった。

夜行列車は全くもって危険な感じはなく、むしろかなりアットホームな雰囲気だった。心が温まる良い時間が過ごせたなあ。

ガタンゴトン、真っ暗な道を揺られること数時間。急に睡魔が襲ってきたので寝ることにした。

目が覚めたら朝。よく眠れた。

ぼーっとしてる間に、列車は定刻8:11、サマルカンド駅に到着した。

昨日の家族もサマルカンドで一緒に下車。

別れの時。元気でね。

やっぱり電車の旅は楽しい!

旅の醍醐味は人との出会いだと思っている。どんなとこに行っても、人との思い出が一番心に残る。

またどこかで会えるといいな。