アラビアンライトの風情溢れる国、オマーン。
最近では女性向けおしゃれ雑誌にも特集が組まれたりして、今後より一層注目される国である。
オマーンへ行くことが決まった時、漠然と砂漠で年越ししたいなーなんて思っていた。
この記事がこれから行く方の参考になれば幸いだ。
【事前準備】
オマーンは車社会だ。
旅行者の多くは空港などでレンタカーをピックアップして回るらしい。
その影響で、道路は整然としていて、とてもきれい。
私も同行者も国際免許を持っていなかったので、オマーン国内の移動は全てバス。
ワヒバサンズへ行くにあたり、ツアーに参加してもよかったのだけど、ツアーの多くは車一台料金ベースで組まれており、二名参加の我々は圧倒的に不利だった。どのツアーも一泊二日で一人300ドル~とかなりお高めだったので、Booking.comでピックアップサービス付きの宿を予約することにした。
【Booking.comで探してみた】
Booking.comでWahiba Sandsと検索すると、色んなキャンプ場が出てくる。
送迎可否について全ての宿にコンタクトを取ってみたところ、Al Reem Desert Campはレスポンスが早く信頼できそうだったので、ここを予約することに。
宿泊代金はスタンダードツインで50リヤル(約15,000円)。送迎代金は、マスカット市内とキャンプ場への往復で一台80リヤル(約24,000円)。
往路、オマーン三大オアシスの2つ「ワディ・シャーブ」と「ビマ・シンクホール」に寄ってくれるという。
この二つのオアシスは、ツアーで行こうと思ったらまたお金がかかってしまうので、途中で立ち寄ってくれるのはすごく嬉しい。これで一人12,000円なら、お得感があると思った。
【ピックアップ当日】
オーナーとは13:00ピックアップの約束をしていた。
この日の午前中はグランドモスクに行っていたので、13:00ギリギリにホテルに戻るとドライバーは既に到着していて、急いで荷物を纏めて車内に乗り込んだ。
というか、ドライバーはオーナーから10:00ピックアップと聞いていたようで、3時間弱待ってくれていたらしい。
3時間待たされるし、日本人二人は後部座席でテイクアウトしたバーガーキングのハンバーガーを頬張っているしで、イライラしたに違いない。
それでも、苛立ちを一切顔に出さず気さくに話しかけてくれた。
ドライバーの名前はサリム。ふっくらとしていて、笑顔がとてもかわいいオマーン人だ。オーナーの親戚らしい。
ハイウェイに乗った直後の14:00頃、車はスルタンの肖像が描かれた壁画の前で停車。数枚写真を撮って終了。
その後30分程車を走らせ、Tiwiという街を通り過ぎ、ビマ・シンクホールに到着した。
ビマ・シンクホールはハウィヤット・ナジム公園(Hawiyat Najm Park)の中にある。
石灰岩が浸食されてできた陥没穴にエメラルドグリーンの水が溜まっているのだ。
長さ20メートル、水深はさらに20メータルあるそうだ。
オマーン人の少年たちが上から飛び込んでいた。すごい!
我々は水がたまっているところまで下りてみることにした。
足だけ浸けてみたけど、水は澄んでいてとてもきれいだった。
サリム曰く、穴の中は溜まった水と海水の二種類が混在していて、海水が溜まっているところにしか魚がいないそうだ。
目を凝らしてみると小魚が泳いでいた。後から知ったけど、ドクターフィッシュらしい。
どう考えても泳げる水温じゃないぐらい冷たかったけど、少年は飛び込むし、欧米人も楽しそうに泳いでいるしですごいなーと思った。絶対寒いよ。
30分程滞在した。
【ワディ・シャーブへ】
ワディ・シャーブへ到着すると、すぐに渡し船へ案内された。
サリムはここで待っているから、40分後に集合ねと言われた。渡し船は有料。
対岸に渡って進むとそこは別世界で、まるでジェラシックワールドのよう。
ジャングルあり、岩山ありでダイナミック。
ここを進んでいくとキャニオニングが出来るスポットがあるらしく、トライしたかったのだけど、生憎40分しか自由時間が無いので断念。予定通り(?)10:00にマスカットを出発していたら出来たのだろうか?
キリの良いところで引き返して、Al Reem Desert Campへ向かうことに。
この時点で既に日が暮れかかっていたので、砂漠から夕日を眺めるのは諦めた。
途中でサリムがチャイを買ってくれた。先を急がないといけないので車内で頂いたのだけど、このあたりは道が悪く飲むのが難しかった。
そして18:00頃、我々はAl Reem Desert Campに到着した。
【大晦日お楽しみプログラム】
到着するとイケメンのオーナーが出迎えてくれた。
彼はAl Reem Desert Camp含む複数の宿泊施設を経営するオーナーで、いかにもやり手な感じ。
WhatsAppでずっとやり取りをしていたので、実際会うとなんか変な感じ。
チェックインすると、大晦日お楽しみプログラム(と勝手に命名)を渡された。
ゲストを楽しませるため、毎日様々なイベントが催されるようでNew Year’s Eveに当たる今日は特に気合の入ったプログラムなんだそう。
夕食まで客室で少し休む。内装がかわいい。
夕食会場は砂漠の上に建てられたダイニング。本日のメインは自社農場で育てたチキンのグリル。
柔らかくて絶品だった。その他チリビーンズやピタ、フレッシュサラダなど、砂漠の中で食べるにしては豪華なディナーで大満足。
夕食後20:45からレクリエーションが始まった。
まずはキャンプファイア。小学生ぶりだよ。温かい紅茶も振る舞われた。
続いてオマニ・バンズ。オマーン人ベドウィンらによる歓迎のバンドである。
中には子供もいて、こんな夜遅くまでご苦労様と言わざるを得ない。
中々長い演奏で、バグパイプのようなものを鳴らしまくり、西洋人客たちが踊りだした。
そして次第にみんな踊り出し…
人種の壁を越えてみんなで一つになった瞬間!とてもピースフル。
次はゲームが始まった。一つ目は水風船をバケツに入れるゲーム。
私はめちゃくちゃ下手で服がびしょびしょになった。
二つ目はバルーンアート選手権だった。アメリカ人のお父さんがめちゃくちゃ上手くて優勝。ささやかな景品をもらっていた。
そして22:30、スタッフたちが巨大なケーキを運んできたと思ったら、
新年のカウントダウンが始まった。
【3、2、1、、、、HAPPY NEW YEAR~!!!パァン!】
小さな花火が打ちあがり、激しく動揺した。いやいや、まだ22:30だよ????年、明けてないし…。
みんなきっとそう思っていただろうけど、誰もそのことに触れず、ケーキを食べて共に新年を祝った。
ケーキはめちゃくちゃ甘ったるくて人工的な味がしたので、一口食べてそっとテーブルに戻しておいた。
きっとこれはプレカウントダウンで、0時ぴったしには大規模なカウントダウンがあるに違いない。。。
そう思った我々は23:50頃外に出てみたけど、人っ子一人おらず砂漠は静寂に包まれていた。というか、客室からはスヤスヤと寝息が聞こえてくる。
「3,2,1 あ、明けた」
2018年は何とも言えない形で幕を開けたのだった。
【ご来光を拝もう】
カウントダウンは不発に終わった我々。
きっとみんなご来光に備えて早く寝たんだなと思って、6:00に起きてみたけど、やっぱり誰も出てこず。
空の色がだんだんと変わりだしていた。コケーッと鶏も鳴いている。
我々はキャンプの裏手にある小高い砂丘に登ってみることにした。
裸足で登ると、足全体がひんやりと冷たい砂に包まれて、気持ちよかった。朝日が昇るまで時間を潰す。これ、やってみたかったデザートメッセージ。
そして6:40、ご来光を拝む。朝日はとてもきれいで良い思い出になった。
朝食は8:30から始まり、スタッフがオムレツを焼いてくれた。サイドメニューはバイキング形式。
砂漠の上で朝食を食べるなんて面白い。非現実的だし、まさにホリデーって感じで。
ピックアップは10時を予定していたので、それまでは施設内を探検。昨日は到着が遅くて何も見えなかったから笑
帰りのドライバーもサリムだった。
マスカットまではちょうど2時間ぐらい。マトラ地区のホテルまで送り届けてもらった。
ああ、濃い二日間だったな。
一生に一度は砂漠で年越し。来年はオマーンのワヒバサンズはいかが?